この4月から東京音楽大学というところの声楽科で伴奏助手として働き始めました。
めちゃくちゃ楽しいけど、めちゃくちゃ難しい!
そもそも伴奏助手って何かっていうと、音大で声楽の伴奏をする専門の人、です。まあ教員の一種です。
って言ってもいろいろあって、学生のレッスンでいろんな曲を伴奏したり、合唱やオペラの授業で本来オーケストラが演奏するところをピアノで弾いたり。もちろん声楽以外にも管楽器の伴奏助手もあるし、幅広いわけです。
オペラの伴奏

そんないろいろある「伴奏」のうち、僕が担当することになったのは、「オペラ実習」という授業。オペラの一部分を実際に動きをつけて演じてみよう!という授業です。
とはいっても3時間のオペラを全てやるわけではもちろんなく、この授業では主に重唱を扱います。オペラの中でも2人3人で歌う曲ですね。

重唱
オペラの中で物語を大きく展開させていく場面で歌われるのが、重唱。
複数人の登場人物が、それぞれに言いたいことを言い合ったり、共に愛を語ったり、悲通や憎しみをぶつけあったり、はたまた喜びを爆発させたりする。独白であるアリアとはまた別の、見せ場の一つです。
だからこそ、登場人物が一体何を考えて、何を歌っているのかを理解するというのが大切になる。だからそれを学びましょうね、というのがこの「オペラ実習」なわけですが、ピアニストもそれを知っていないといけないよなって思うわけです。
でもこれが、難しい。本当に難しい。
だってイタリア語なんか勉強してきてないし、歌だって歌う勉強してきてないし。まさに新たな世界を見ております。
歌に合わせてはならぬ
ちなみにオペラの稽古というのは、歌手がいて、指揮者がいて、ピアニストがいる、そんな環境が基本となるわけですが、我々ピアニストは指揮者に合わせなければいけません。
「何を当たり前な」
そう思ったでしょ?
いやこれがまた、ついつい聞こえてくる歌に合わせてしまうんですよ。でもそうすると、間違ったタイミングに気付けない可能性があったり、演出の都合で照明や出ハケのタイミングがズレたりする。だから、指揮者を絶対としなければいけないのです。
伴奏ってさ
今まで伴奏ってたくさんやってきているけど、基本的には「音を出す相手」がいて、その人の呼吸を汲み取りながら寄ったり引っ張ったりするわけです。伴奏ってのは。
だから、音を出す相手がいるのに、そこに合わせてはいけない、ってのは今までやってきた伴奏とは真逆なの。ついつい歌に合わせてしまうんです。

合唱伴奏とも違う
ちなみに、指揮とピアノと歌がいる、といえば合唱ですね。実際、合唱伴奏だって山ほどやってきましたが、これはこれで全く別物なわけです。
合唱でももちろん指揮者に合わせて、歌の呼吸を感じながら音楽を奏でます。しかし、合唱というのは集団。指揮者はその集団を操ることに重きを置き、ピアニストはその助けになるべく自ら音楽を作っていかなければいけないのです。そこにはある種の流動的な音楽を追いかけるスキルが求められる、と僕は考えています。
対して稽古ピアノでは、そこに流れている絶対的な「音楽の流れ」を守らないといけない。
うーん、言葉にするとよく分かりませんな。笑
大量の音符と、歌詞のリズムを把握しながら指を忙しく動かして、耳は全体、目は楽譜と指揮者と鍵盤と。オペラの稽古ピアニストってすごい専門職だと思う。オモテに出ない影の立役者ってかっこいいよね。
がんばってオペラの世界をはやくたくさん知りたい!!
目指せコレペティ!!!
